第3セクター、借金16兆円

全国の自治体が50%以上出資して運営している地方公社や第三セクターの債務が、05年度末で約16兆円もあることがわかりました。
これは、地方税収の40%に当たる金額です。


このうち、11兆8000億円が金融機関からの借入や社債です。
残りの4兆1000億円は自治体からの融資です。


またこれは、あくまで出資比率が50%以上(いわゆる子会社)に限った金額です。
これを限定しないで計算すると、借金の総額は17兆円を超えるそうです。

第三セクターとは


国および地方公共団体が経営する公企業を第一セクター、私企業を第二セクターとし、それらとは異なる第三の方式による法人という意味である。略して三セク(さんせく)とも言う。


日本においては、国または地方公共団体が民間企業と共同出資によって設立した法人を指すことが多く、その場合、多くは設立が比較的容易でその運営方式も自由な株式会社の形態を採る。当初は旧国鉄およびJR各社の赤字ローカル路線(特定地方交通線)を引き受ける事業主体としての第三セクター鉄道が有名だったが、それ以外にも1980年代後半以降、「民間活力の活用」(民活)というスローガンのもと、地域振興などを目的とした第三セクター会社が政策的に各地に設立された。


諸外国では、第三の方式とは、NPO、市民団体その他の民間の非営利団体を示し、日本のように行政と企業の共同出資による法人を示すのは極めて稀である。

日本における第3セクターの状況は諸外国と比べてかなり異質であり、むしろ第1セクター(寄り)ともいえます。
そのため、本来効率的に運営が行わなければならない会社形態を取っていたとしても、単なる事業の受け皿であったり、責任の所在が不明であったり、運営のノウハウがなかったりと数々の問題を抱えています。
その結果、多額の負債を抱えている第3セクターが多く存在しています。


自治体の財政の悪化度合いを測る「実質収支比率」や「実質公債比率」には、公社や3セク分は含まれていません。
したがって自治体財政は、公表分よりさらに悪化する可能性が高いのです。


地方財政健全化法案が今国会に提出されますが、それによる新しい連結財務指標が導入されますと、自治体の債務が膨らみ財政悪化の要因になります。
今後一気に公社・3セクの淘汰が進む可能性があります。


早期是正措置発動や再建団体転落などの事態だけは避けて欲しいものですね。


日本経済新聞社のこの記事のホームページアドレスです。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070207AT2D0502406022007.html