少子化対策、10兆円の財源必要
フランスは少子化対策の先進国として有名です。
フランスでは、1993年に1.66まで落ち込んだ合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子ども数)を少子化対策の成果で、2006年に2.00まで回復させています。
その主な施策としては、次のようなものがあります。
フランスの主な家族関係手当(2005年1月現在。1ユーロ159円として日本円に換算)
手当て名 内 容 支給額 家族手当 第2子以降の養育費を20歳まで所得に関係なく補助 第2子で1.8万円、第3子以降は同2.3万円。11〜19歳は加算あり 家族補足手当 3歳以上の子供を3人以上扶養している世帯に支給 3人目以降の子供1人につき月2.3万円。所得制限あり 基礎手当 3歳未満の乳幼児の保育者に支給 月収65万円以下の家庭に月2.6万円 出産先行手当 出産時に支給 13.1万円。所得制限あり 新学期手当(9月) 6歳以上18歳未満の児童の養育者に支給 子供1人につき4.1万円。所得制限あり
もし日本がフランス並みの少子化関連施策をすべて導入するならば、年間10兆6千億円の財源が必要になることが、厚生労働省の試算により明らかとなりました。
仮にそれをすべて消費税で賄うとすると、税率を約3%弱引き上げる必要があります。
年末にかけての税制改革論議に一石を投じることになりそうです。
日本にも児童手当という制度があり第1子の場合年額12万円となりますが、フランスでは複数の手当てを合計すると日本の2倍強になることがあります。
GDPに占める少子化対策費は日本の0.75%に対し、フランスは3.0%となっています。
もちろん、金銭面だけで少子化が進んでいるのではありません。
当然、仕事と育児を両立させることができる労働環境の整備等も必要です。
少子化対策の先進国フランスに学ぶべき点は、多いのではないでしょうか。