中小向け私的整理指針

経済産業省は、中小企業向けの私的整理に関する指針(ガイドライン)案をまとめました。
中小企業が金融機関から債務免除を受けて再生を目指すための指針です。


中小企業の場合、法的整理をすれば取引に支障が出て事業継続が困難になります。
また従来の私的整理ガイドラインでは、経営者責任で退任した場合に後継者が見つからなかったり、売却可能な資産がなかったりと、再生そのものが困難なケースが少なくありません。


今回の案ではこれらの点に配慮しています。
債務超過解消までの期間を3〜5年に緩和し、かつ経営者の退任も求めない内容になっています。
条件を緩和することによりモラルハザードに陥る恐れがあるため、指針では経常損益の3年以内の黒字化や、有利子負債のキャッシュフロー比率を10倍以内とするといった再建計画の数値目標を盛り込んでいます。


国税庁もこの指針に沿た事業再生計画で金融機関が債権放棄をする場合には、貸倒損失の損金算入を認める方針です。


何かいいこと尽くめのようですが、実際の導入には金融機関側には抵抗があるようです。
経営責任があいまいな私的整理には否定的です。


はたして、どうなるのでしょうか。