認定こども園

税理士業務といえば一般的な会社(株式会社、認定有限会社等)に関する業務が一般的ですが、最近では、医療法人はもちろんですが、公益法人(財団法人、社団法人)、社会福祉法人など、いろいろな法人の支援をしています。
これはTKC全国会が、重点的に行っている活動の一つです。


それら法人の中の一つ、社会福祉法人が経営している施設に保育所があります。
たまに間違われる方がおられるのですが、保育園ではありません。
保育所」です。


その保育所に関係するお話なのですが、10月1日から「認定こども園」という制度が出来ました。
これは、従来の幼稚園、保育所という枠組みだけではカバーしきれないニーズに応えるために、新しく出来た制度です。


もともと幼稚園は幼児教育を、そして保育所は保育をするための施設です。
そのためそれらを管轄する省庁も、前者が文部科学省、後者が厚生労働省と違っています。
また、運営できる組織も前者が学校法人、後者が社会福祉法人と異なっています。


しかし、少子化がすすみ、女性の社会進出がいっそう進んできた現在においては、幼稚園と保育所を一体化して子育てを支援する必要がでてきました。


認定こども園」の概要は、
○ 保護者が働いている・いないにかかわらず利用可能。
○ 集団活動・異年齢交流に大切な子ども集団を保ち、すこやかな支援育ちを。
○ 待機児童を解消するため、既存の幼稚園などを活用。
○ 充実した地域子育て支援事業で、子育て家庭を支援。

ための施設で、就学前の教育・保育ニーズに対応する新たな制度です。


認定こども園の具体的な認定基準は、文部科学大臣厚生労働大臣が協議して定める「国の指針」を斟酌して、各都道府県が条例で定めます。
10月末現在、山口、熊本を除く45都道府県がすでに条例を制定しているか、年内制定を予定しています。


認定こども園とは、幼稚園、保育所等のうち、以下の機能を備え、認定基準を満たす施設は、都道府県知事から「認定こども園」の認定を受けることができます。
1 就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能
 (保護者が働いている、いないにかかわらず受け入れて、教育・保育を一体的に行う機能)
2 地域における子育て支援を行う機能
 (すべての子育て家庭を対象に、子育て不安に対応した相談活動や、親子の集いの場の提供などを行う機能)

認定こども園には、地域の実情に応じて次のような多様なタイプが認められることになります。
なお、認定こども園の認定を受けても、幼稚園や保育所等はその位置づけを失うことはありません。


1 幼保連携型
 認可幼稚園と認可保育所とが連携して、一体的な運営を行うことにより、認定こども園としての機能を果たすタイプ
2 幼稚園型
 認可幼稚園が、保育に欠ける子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園の機能を果たすタイプ
3 保育所
 認可保育所が、保育に欠ける子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園の機能を果たすタイプ
4 地方裁量型
 幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ


現在、島根県認定こども園は1か所しかありませんが、今後市町村の対応によっては数が増加してくるものと思われます。
社会福祉法人にとっては、経営環境に変化が現れることが予想されます。
保育所のためにも、利用者のためにも、より良い施設になるように、十分な対策を取って頂きたいですね。


【参考ホームページ】
政府広報オンライン  http://www.gov-online.go.jp/week/backnumber/theme_20060521/nintei_kodomo_en.html
TKC社会福祉法人経営研究会のホームページ  http://www.welfare.tkcnf.or.jp/