平成18年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況

平成18年の確定申告(所得税、消費税、贈与税)の状況が、国税庁より発表されました。


それによりますと、所得税の確定申告書を提出した人数は2349万4000人(前年比1.3%増)となり、8年連続で過去最高を更新したようです。
そのうちインターネットを使って申告・納税をする「e-Tax国税電子申告・納税システム)」を利用した人は、17年分の約14倍の49万1000人に上りました。

平成18年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況について(記者発表資料)


                                   平成19年5月 国税庁


I 確定申告の状況


1 所得税の申告状況
(1)  確定申告書の提出状況 (表1)
 =提出人員は2,349万4千人と過去最高=
 平成18年分所得税の確定申告書を提出した人員は2,349万4千人で、これまでの最高であった平成17年分(2,318万1千人)より31万3千人(+1.3%)増加し、過去最高となった。


(2)  納税人員等の状況 (表2)
 =納税人員は減少、所得金額・申告納税額は増加=
 確定申告書を提出した者のうち、納税人員(申告納税額のあるもの)は、823万3千人、所得金額は44兆3,205億円、申告納税額は2兆8,971億円である。
 これを平成17年分と比較すると、納税人員(▲0.7%)は減少し、所得金額 (+1.4%)及び申告納税額(+8.4%)は増加した。


(3)  所得者別の状況 (表3)
 =事業所得者、その他所得者とも申告納税額は増加=
  事業所得者
 納税人員は190万4千人、所得金額は7兆1,936億円、申告納税額は5,763億円である。
 これを平成17年分と比較すると、納税人員(▲3.1%)及び所得金額(▲1.7%)は減少し、申告納税額(+6.4%)は増加した。
  その他所得者
 納税人員は632万9千人、所得金額は37兆1,269億円、申告納税額は2兆3,208億円である。
 これを平成17年分と比較すると、納税人員は横ばい、所得金額(+2.0%)及び申告納税額(+8.9%)は増加した。
 なお、その他所得者の内訳をみると、不動産所得者と雑所得者については、納税人員、所得金額及び申告納税額のいずれも増加し、給与所得者については、納税人員は減少し、所得金額及び申告納税額は増加した。


(4)  譲渡所得の申告状況 (表4)
 =申告件数は増加・所得金額は横ばい=
 各所得者を通じての譲渡所得の申告件数は148万2千件、うち有所得件数(所得金額のあるもの)は78万5千件、所得金額は6兆7,107億円である。
 これを平成17年分と比較すると、申告件数(+2.7%)は増加し、所得金額(+0.2%)は前年並みであった。
  株式等の譲渡所得の申告状況は、申告件数が93万8千件、うち有所得件数は48万7千件、所得金額は2兆6,363億円である。
 これを平成17年分と比較すると、申告件数(+4.2%)は増加したものの、有所得件数(▲15.8%)及び所得金額(▲15.4%)は減少した。
  株式等以外の譲渡所得の申告状況は、申告件数が54万4千件、うち有所得件数は29万8千件、所得金額は4兆744億円である。
 これを平成17年分と比較すると、申告件数(+0.1%)は前年並み、有所得件数(+4.0%)及び所得金額(+13.8%)は増加した。


2 個人事業者の消費税の申告状況 (表5)
 =申告件数・納税申告額のいずれも減少=
 個人事業者の消費税の申告件数は152万7千件、納税申告額は4,816億円である。
 これを平成17年分と比較すると、申告件数(▲3.1%)及び納税申告額(▲1.7%)は、いずれも減少した。


3 贈与税の申告状況 (表6)
 =申告人員は減少、申告納税額は増加=
 贈与税の申告人員は39万7千人、うち納税人員は27万1千人、申告納税額は1,177億円である。
 これを平成17年分と比較すると、申告人員(▲8.2%)及び納税人員(▲1.5%)は減少したのに対し、申告納税額(+0.9%)は増加した。


II 各種施策の実施状況
 国税庁では、確定申告の基本方針として、できるだけ納税者ご自身に確定申告書を作成していただくという「自書申告」を推進しており、申告に関して「IT」を活用したサービスの提供に積極的に取り組んだ。


1 確定申告書等作成コーナーの利用状況 (表7)
 =作成コーナーによる申告書の提出件数は170万5千件と大幅に増加=
 国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」については、より多くの納税者の皆様にご利用いただくため、土地及び建物の譲渡所得に係る計算機能や贈与税の申告書作成機能を追加するなどした結果、作成コーナーを利用して作成した所得税申告書の提出件数は161万8千件(前年比127.5%)、消費税申告書の提出件数は6万9千件(前年比130.2%)と大幅に増加した。また、本年から新たに提供を開始した贈与税の申告書の提出件数は1万8千件であった。
 なお、作成コーナーについては、税務署等の相談会場に来られた方が、翌年以降、相談会場に赴くことなくご自宅等のパソコンを利用して簡単に申告ができるよう、相談会場に作成コーナーが利用できるパソコンを増設した結果、これを利用して作成した申告書の提出件数は、合計で166万4千件(前年比276.6%)と大幅に増加した。


2 国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用状況 (表8)
 =所得税・消費税のe−Tax利用は59万3千件=
 e−Taxについては、(1)本年の所得税の確定申告期間中の24時間受付、(2)作成コーナーからの直接送信、(3)税理士等が依頼を受けて税務書類を作成する場合、その依頼者の電子署名及び電子証明書の添付省略など、利用者の皆様の利便性の向上を図った結果、所得税の申告件数は49万1千件(前年比約14倍)、個人事業者の消費税の申告件数は10万2千件(前年比約11倍)と大幅に増加した。
 なお、すべての税務署に「e-Taxコーナー」を設け、e-Taxによる申告や利用開始届出書の提出にご利用いただいたところ、利用者数は3万人であった。
 また、平成19年分の確定申告期においては、まだe-Taxによる申告を行っていない納税者の方が、e-Taxによる申告をその場で行えるよう「初回来署型電子申告」を税務署等の相談会場に設ける予定である。


3 閉庁日における申告相談の状況 (表9)
 =閉庁日の申告書収受件数は23万6千件=
 ITを活用した施策を推進する一方、休日における税務署での相談等のニーズに応えるため、本年で4年目となる閉庁日における申告相談を2月18日と25日の日曜日に、228税務署を対象として、税務署のほか合同会場、広域センターにおいて実施した。これらの会場における両日の申告書収受件数は、合計23万6千件(前年比110.4%)であった。


各表(1から9)は省略
参照 http://www.nta.go.jp/category/press/press/h19/6068/01.htm

パソコンを使ってインターネットで申告できるe-Taxの利用者は、所得税の申告者で約2.1%となり、目標の2%をクリアしました。
このうち、税理士による代理送信の利用者は9割弱を占め、税理士主導のe-Taxだと言えます。
税理士の代理送信の場合には、e-Tax導入の障害であった電子証明書の取得やICカードリーダライタの購入が不要ということから、利用者が増加したものと思われます。
また、TKC会員が行った電子申告は、所得税30万3千件、消費税(個人)6万4千件で、それぞれ全体の6割を超えています。


19年度のe-Taxの目標は3%です。
以降、20年度・8%、21年度・22%、23年度・50%となっています。
19年度目標はクリアしそうな勢いですが、その後についてはハードルが高いように思えます。
19年度税制改正e-Tax関連が、後押ししてくれれば良いのですが・・・。