法人税減税
自民党の安倍総裁(官房長官)が、2007年度の税制改正で法人税の大幅減税に踏み切る意向を固めました。
自民党の安倍総裁(官房長官)は、企業のIT(情報技術)関連などの設備投資を促すため、2007年度の税制改正で法人税の大幅減税に踏み切る意向を固めた。
企業が、設備や機械を取得した場合、損金として利益から控除できる減価償却の限度額を、現在の購入価格の原則95%から100%に拡大する。
課税対象の利益が従来より5%分圧縮されることで、企業の税負担を軽くする。減税規模は初年度で6,000億円程度と見込んでいる。また、ベンチャー企業を優遇する税制の拡充も検討している。
安倍氏は総裁選で、イノベーション(技術革新)による産業の生産性の向上を図り、実質3%程度の経済成長を目指す考えを示している。今回の法人税減税は、技術革新を後押しする政策の柱となるものだ。
減税の対象はIT分野に限定していないが、「減税に誘発された新規投資の大半は、IT時代に対応する目的に充てられるだろう」(安倍氏周辺)と見ている。
バブル崩壊後、企業の設備投資意欲が減退したため、IT関連分野が急速に進歩した最近10年間よりも前に購入した設備を使い続けている企業も多い。
経済産業省が05年にまとめた報告書によると、日本国内のIT関連分野への投資額の対国内総生産(GDP)比率は2%で、米国の3%、世界平均の2・8%を下回っている。
英米など、ほとんどの先進国は減価償却の限度額を100%としており、経済界からは長年、格差解消を求める声が出ていた。
一方、ベンチャー支援では、ベンチャー企業への個人の投資を後押しする「エンジェル税制」の拡充を検討している。同税制は、個人投資家がベンチャー企業に投資した場合、その投資額を、株式投資で得た利益から控除できるなどの内容だ。
今回の見直しでは、ベンチャーへの投資を、預貯金の利子など金融所得からも控除できるようにする方向で調整する。
エンジェル税制を利用した個人投資家によるベンチャー企業への投資は05年度で約20億円。ベンチャー投資への優遇制度が整っている英国での投資(約800億円)の40分の1の水準にとどまっている。
(2006年9月24日 読売新聞)
これは特に目新しい考え方ではなく、税制のグローバル化を考えれば当然出てくる考え方です。
先進国ほとんどは、残存価額や償却可能限度額という考え方はありません。
100%減価償却できるのです。
また近年のように、機械設備等を更新する際に売却代金が出ずに、逆に処分費用が要るような時代であれば、当然のことのように思います。
したがって、これは必然の改正なのです。
そして、この減税によって設備投資意欲が沸くという考え方が理解できません。
「100%償却できるから」とか「税金が安くなったから」とかの理由で、設備投資すると思いますか。
chika-chanには、到底思えません。
必要だから設備投資するのです。
もちろん、今回の改正は必要な改正だと思います。
ただ、小手先の税制改正で何とかしようとする考え方は、いかにも・・・って感じです。
もっと、抜本的な「改革」を進める必要がありますね。