政府税制調査会会長

事務局案が覆った異例の会長人事です。


昨日19日、政府税制調査会会長に本間正明・大阪大教授が内定しました。
当初事務局の財務省総務省は、石・前会長の続投を念頭に、新たな委員の人選を進めていましたが、官邸主導でひっくり返った模様です。

政府税調:後任会長に本間・大阪大教授


5日で任期切れとなっていた政府税制調査会(首相の諮問機関)の石弘光前会長の後任に、本間正明・大阪大教授が19日、内定した。
安倍晋三首相が11月7日にも任命する新委員(任期3年)による互選で、第6代会長に正式に就任する。


安倍首相は19日夜、記者団に「私の内閣で(税調委員を)一新したかった」と語り、委員を大幅に入れ替える考えを明らかにした。
会長を含むメンバーの刷新により、「増税回避・成長優先」の安倍カラーが政府税調の議論にも反映されることになりそうだ。


本間氏は94年4月、政府税調委員に就任。97年5月には「日本版ビッグバン」(金融制度改革)に伴う金融関連税制の抜本改正を集中審議するために設置された「金融課税小委員会」の委員長として、証券市場活性化のための有価証券取引税撤廃に道筋をつけた。
経済財政諮問会議の民間メンバーとしても税制改革で提言を行ってきた。


政府税調の事務局を務める財務、総務両省は当初、石氏続投を前提に次期委員の人選を進めていた。
だが「高成長実現により増税幅をできるだけ小さくする」との安倍政権の方針に沿う人事にすべきだとして塩崎恭久官房長官ら官邸側が拒否。
再調整を進めた上で19日夕、尾身幸次財務相菅義偉総務相が安倍首相を訪ね、新人事案を提示し了承された。


本間正明氏(ほんま・まさあき) 大阪大経卒、76年同大助教授。教授、経済学部長、副学長などを歴任。01年1月〜06年10月13日に経済財政諮問会議民間メンバー。北海道出身。62歳。


毎日新聞 2006年10月19日

安倍首相は就任前から消費税の増税には消極的で、日本の経済成長戦略に重点を置いていました。
これに対して石・前会長は、消費税の増税、給与所得控除の縮小を主張するなど、どちらかと言えば増税論者です。
そういった路線の違いから、今回異例の会長人事となったようです。
また、来年の参議院選挙があることも、影響しているように思えます。


議論の先送りは、政府の得意技の一つです。
う〜ん、大丈夫なのでしょうか。