減価償却制度の見直し

税制改革議論が活発化しそうです。

生産設備、償却期間短縮へ・政府検討


政府は企業の法人税負担の軽減策として、生産設備の税制上の償却期間を短縮する検討に入る。
償却期間中は毎年損金として計上できる金額を増やしてその年の税負担を軽くするとともに、新たな設備投資を促す。
2007年度の減価償却制度見直しを視野に、液晶などハイテク分野の新規投資分から適用する案が有力だ。
また設備投資額の全額を損金に計上できる仕組みも導入する考え。
経済活性化税制の柱と位置付けて安倍政権が掲げる成長路線を後押しする。


日本の減価償却制度は税法上の償却期間(法定耐用年数)を機械の種類ごとに規定。
企業が機械などを購入した場合に、時間の経過とともに資産価値が目減りする分を毎年どのくらい損金に計上できるか決める仕組みだ。

減価償却資産の償却期間が長いと、各事業年度ごとに損金の額に算入できる金額は少なくなります。
企業にとって見ればどのくらいの頻度で設備を買い換えるかの目安にもなります。
一般的に日本では主要な機械設備の平均的な耐用年数は10年で、欧米やアジア諸国に比べて長期間になっています。


【 生産設備の償却期間 】

   半 導 体 液晶関連 機械装置
         (平均)
日 本 8年 10年 10年
米 国 5年 5年 7年
英 国 8年 8年 8年
韓 国 5年 4〜6年 8年


見直しの中心となるのは技術革新が急速に進み、生産設備を頻繁に更新する必要があるハイテク分野です。
期間短縮が実現すれば毎期の損金算入額が増えるため、新規設備投資額が多い企業ほど法人税額が軽減され、設備投資の効果がより一層進むことになります。
企業の投資意欲が高まることにより設備の更新が進めば、国際競争力も増すことになります。


税制改革案は11月上旬の政府税制調査会で議論した後、年末の与党税制調査会で具体的な枠組みや改正時期が決定されます。
今後の税制改革の目玉となりそうですね。