基礎的財政収支、2011年度黒字化

基礎的財政収支プライマリーバランス)が、2011年度には黒字化するそうです。


最近の税収増が3兆5000億円、歳出削減の効果が3兆5000億円、合計7兆円の財源不足の縮小です。
今年度の最終的な財源不足は、9兆5000億円程度になりそうです。

財政収支不足額、税収増で13兆円に圧縮…諮問会議


経済財政諮問会議(議長・安倍首相)は26日、政府の財政再建目標である「2011年度の基礎的財政収支プライマリーバランス)の黒字化」に向けた不足額を、今年7月に見込んだ16・5兆円から13兆円に圧縮する内閣府の報告を了承した。


景気回復による06年度の税収増の効果を盛り込んだ。


政府は7月に閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」で、16・5兆円の不足額を埋めるため、11・4兆〜14・3兆円の歳出を削減し、残りの2・2兆〜5・1兆円は消費税を含む増税で対応するとしている。


今回の試算では、現在の景気回復が続いた場合、税収増と歳出削減だけで黒字化を達成できる計算となり、今後、消費税引き上げの先送り論が強まる可能性もある。


諮問会議はさらに、07年度政府予算案で歳出改革を厳しく進めたため、07年度の歳出削減額が3・5兆円に達するとの試算を了承した。08年度以降も歳出削減が3・5兆円ずつ実施されれば、増税なしでも目標の2011年より1年前倒しの黒字化が達成できる計算になる。


ただ、景気変動しだいで税収は増減するため、大田経済財政相は同日の諮問会議後の会見で、「(財政健全化)は5年間を通じて管理しており、一年目の税収増だけでは変わらない」と、黒字化の前倒し論を否定し、2011年の目標は変わらないと強調した。


また、大田経財相はこの日の諮問会議で、政府が今後5年間の名目経済成長率を「3%台半ば程度あるいはそれ以上」と見込んだ新中期計画「日本経済の進路と戦略」の最終案を提示し、了承された。来年1月中旬に閣議決定する。


(2006年12月26日 読売新聞)

時事通信の記事では、財源不足は9兆5000億円と書かれています。
読売新聞の記事では、歳出削減部分を除いて、13兆円となっています。
少し紛らわしいですが・・・。


7月に決定した骨太の方針では、16兆5000億円の財源不足のうち、歳出削減で賄えない部分を補うためには、消費税の税率を1〜2%引き上げる必要があると言っています。
とりあえず、その部分のアップは抑えられそうです。


しかしこれは、あくまで税収増加が安定して続くことと、歳出削減を引き続いて行うことが前提となっています。
果たして計算どおりに行くのでしょうか。