法人申告所得57兆円

国税庁は2006年度事務年度(2006年7月から2007年6月)の法人の所得総額が、57兆0828億円(前年度比13.3%増加)したと発表しました。
これはバブル期の1990事務年度の約53兆円を上回り、過去最高額です。


300万5000法人から、278万7000件の申告があり、申告税額は14兆4578億円(前年度比14.8%増加)です。
法人税の黒字申告割合は32.4%(同0.5ポイント増)となっています。


なお、2006事務年度に税務調査を受けた法人の申告漏れは1兆7247億円となっており、前年度より593億円(3.6%)増加しています。

平成18事務年度における法人税の課税事績について
                  平成19年10月  国税庁


概況


1 法人数の状況(別表1)
○ 平成18事務年度末(平19.6.30)現在の法人数は300万5千法人で、前年度に比べて2万8千法人(0.9%)増加。


2 法人税の申告の状況(別表2)
○ 平成18事務年度(平18.7.1〜平19.6.30)中に申告期限が到来したもののうち、申告のあった件数は278万7千件で、前年度に比べて2万件(0.7%)増加。
○ 黒字申告割合は32.4%で、前年度に比べて0.5ポイント上昇。
○ 申告所得金額は57兆828億円で、前年度に比べて6兆6,853億円(13.3%)増加。
  これを黒字申告1件当たりでみると6,254万円で、前年度に比べて10.5%増加。
○ 申告欠損金額は16兆4,949億円で、前年度に比べて6兆2,205億円(27.4%)減少。
  これを赤字申告1件当たりでみると862万円で、前年度に比べて27.2%減少。


3 法人税の税額の状況(別表3)
○ 平成18事務年度における申告税額は14兆4,578億円で、前年度に比べて1兆8,609億円(14.8%)増加。


4 法人税の実地調査の状況(別表4、別表5)
○ 平成18事務年度においては、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度の高い法人14万7千件について実地調査を実施。
○ 実地調査を行った法人のうち何らかの非違があったものは10万8千件。その申告漏れ所得金額は1兆7,247億円で、前年度に比べて593億円(3.6%)増加。
○ 仮装、隠ぺいによる不正計算のあったものは3万2千件で、前年度に比べて3千件(10.5%)増加。その不正発見割合は21.7%。
○ 不正脱漏所得金額は4,346億円で、前年度に比べて204億円(4.9%)増加。
○ 調査による追徴税額は4,402億円で、前年度に比べて449億円(11.4%)増加。
○ 不正発見割合の高い業種は、「バー・クラブ」、「パチンコ」、「廃棄物処理」の順。
○ 不正申告1件当たりの不正脱漏所得金額の大きな業種は、「貿易」、「電子機器製造」、「パチンコ」の順。


5 消費税(法人)の実地調査の状況(別表4の付表)
○ 消費税の調査件数は13万9千件で、そのうち何らかの非違があったものは、7万7千件。その追徴税額は722億円で、前年度に比べて171億円(31.1%)増加。


別表は省略 http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2007/6282/index.htm

一見、景気が回復しているように見えますが、実態は大企業中心の回復です。
資本金1億円以上の大規模法人の黒字申告割合は、53.7%(前年度比0.8ポイント増)となっています。
つまり中小企業の黒字申告割合は、相当少ないことが容易に想像できます。


現実はまだまだ厳しいです。